センター長ご挨拶
センター長山田 知美
2018年4月1日から、未来医療開発部データセンター・センター長を拝命しました山田です。
近年、急速なテクノロジーの進歩や臨床試験を取り巻く環境、法規制の大きな変化に伴い、臨床研究や日常診療で蓄積した膨大なデータの価値が、改めて見直されるようになりました。研究データの質に関しても、品質マネジメントの新しいアプローチが求められるようになり、データセンター一同、身の引き締まる思いで、日々研鑽を続けております。
アカデミアに存在するデータセンターの使命は、
- ・臨床研究を科学的側面から支援すること《業務》
- ・最新の統計解析やデータマネジメントに関する方法論を研究し、実践に繋げること《研究》
- ・専門家を育成し、次世代を担う人材を養成すること《教育》
これらを3本の柱とした活動を通して、社会に貢献することにあります。
私がデータマネジメントグループリーダーを引き継いだ2014年当初、当センターの第一目標は「医師主導治験(すなわちGCP準拠の品質管理活動)を実施できるようになること」でした。職員の地道な取組みと品質マインドセットの確立、多方面の皆様のご支援・ご協力のお陰で、医師主導治験をオールインハウスで実施する体制整備は完了し、当時の第一目標は達成したと言えます。
しかし、システムを整えて浮き彫りになったのは、人材不足という課題でした。人材不足により、全てのご要望に十分にお応えできていないのが現状です。今後は、「最新の学問体系を取り入れた臨床研究データマネジメントやデータサイエンスを研究・教育するための基盤の確立」に努めたいと思います。そして、ここ大阪大学で育成した人材を、全国の医療機関に輩出致します。また、電子カルテなどのリアルワールドデータを直接ハンドリングできるというアカデミアデータセンターの強みを最大限に活かした研究で、質の高い臨床研究を効率的に実施する体制構築や、AI等による革新を推進する人材育成に、積極的に取り組んでまいります。
変遷する時代の流れと社会の要請に適切に応じながら、今後は、アカデミア本来の使命を踏まえ、「業務・研究・教育」の3本柱をバランスよく推進していきたいと思います。これらの活動を通して、臨床研究データの品質向上や科学的エビデンスの創出に貢献することで、患者さんに、最先端の医療を最速で提供するためのお役に立てればと思っております。
今後とも、ご指導・ご支援のほどお願い申し上げます。