研究における文書によるインフォームド・コンセントの取得ついて

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1.はじめに

治験、臨床研究において、文書で説明し、同意を得る場合は、原則、以下の手順に従ってください。

2.だれが説明し、同意を得るの?

研究責任者または研究分担者として任命されている方が説明し、同意を得ます。
同意取得時は、自分が研究責任者又は研究分担者であることを確認してください。
研究協力者は、説明の補助はできますが、同意を得ることができません。

FAQ

自分が研究責任者又は研究分担者か確認するにはどうしたらよいですか?

治験の場合、CRCに確認してください。
研究の場合、研究事務局や申請を行っている研究者に確認してください。
通常、規制に応じて以下の書類に記載されています。
治験⇒書式2治験分担医師・治験協力者リスト
臨床研究法⇒統一書式1研究分担医師リスト
その他の研究⇒研究計画書(プロトコル)

3.だれに説明し、だれから同意を得るか

1. 研究対象者となる患者さん

原則、患者さん本人から同意を得てください。

2. 代諾者

以下の場合は、代諾者による同意が必要です。
なお、代諾者からの同意は、予め認められている研究でのみ可能です。プロトコル等を確認してください。

  • 小児(研究によっては、16歳以上の場合、本人同意も必要です)
  • 成人で同意能力を欠く者
  • 例)重度の認知症、意識不明の状態の患者、昏睡状態の患者等
    代諾者の選定方針は一般的には以下ですが、詳細はプロトコル等を確認してください。
  • 小児の場合:親権者、未成年後見人等
  • 成人の場合:配偶者、父母、兄弟姉妹、子・孫、祖父母、同居の親族又はそれらの近親者に準ずる者等

代諾者から同意を得る場合でも、研究対象者となる患者さんや患児のお子さんの理解度に応じて説明し、本人が意向を表することができる場合は、インフォームド・アセントを得てください。

規制 GCP(治験) 臨床研究法 再生医療法 生命医学系指針
代諾者同意
(本人アセント)
20歳未満※ 16歳未満 16歳未満 16歳未満
本人同意
+
代諾者同意
16歳以上
身体又は精神に障害
又は負担が生じうる
研究
16歳以上※2
侵襲を伴う研究
本人同意
+
代諾者オプトアウト
16歳以上
身体又は精神に障害
又は負担が生じない
研究
16歳以上※2
侵襲を伴わない研究
本人同意のみ 16歳以上

表:小児を対象とする臨床研究における同意のルール
※1 2022年4月からは18歳未満 ※2 16歳以上又は中学校課程を修了

3. 公正な立会人

以下の場合は、公正な立会人の同席が必要です。
・患者さんが説明文書を読むことができない
研究責任者、研究分担者、研究協力者は、公正な立会人になれません。
研究対象者の家族、知人、研究に関与していない病院職員等に依頼してください。

FAQ

研究対象者が麻痺などで署名できないときはどうしたらよいですか?

代諾者と同等の者が代筆者として、本人に代わって代筆を行うことが可能です。
代筆者も、本人と共に文書で説明を受け、本人が参加に口頭で同意した場合、同意書に代筆し、その経緯及び患者さんとの関係を記入した上で、自らも署名し、日付を記入してください。
代諾者と同等の者でない方がやむをえず代筆する場合は、公正な立会人が、説明及び同意に立ち合い、その旨を同意書に記録し、代筆者に加えて、立会人も署名、日付を記入してださい。

4. 説明文書

委員会による審査や病院長の承認等、適切な手続きを経た最新版の説明文書を使用してください。

FAQ

最新の説明文書はどこにありますか?

治験の場合、CRCに確認してください。
研究の場合、研究事務局や申請を行っている研究者に確認してください。
規制に応じて適切な手続きを経た説明文書を用いることが必要です。
(病院長による許可や、jRCTへの公開等)

5. 同意書の記載

  • 研究対象者となる患者さんが、本人欄に、同意日を記入し、署名してください。
  • 代諾者がいる場合は、代諾者が、代諾者欄に、同意日を記入し、署名してください。
  • 公正な立会人がいる場合は、立会人が、立会人欄に、同意日を記入し、署名してください。
    ※いずれも、医師による代筆は不可です。
  • 説明者(研究責任者または研究分担者)が、説明者欄に、説明日を記入し、署名してください。
    修正する場合は、修正者本人が、日付記載/署名を行ってください。

FAQ

何回にも分けて複数人が説明を行った場合はどうしたらよいですか?

説明を複数回行った場合、説明日、説明者をすべて記載することが望ましいです。
例えば、外来で外来担当医が説明し、入院時に入院担当医が同意を得る場合、
それぞれが説明日と署名を記載してください。
もちろん、外来担当医、入院担当医ともに研究責任者または研究分担者である必要があります。

6. 同意書の交付

同意書の日付、署名が記されていることを確認してください。
写し(コピー)を、研究対象者となる患者さんに手渡してください。
同意書を電子カルテに取り込んでください。
紙の同意書の保管が必要な場合は、症例ファイル等に保管してください。

7. 電子カルテへの記録

研究対象者となる患者さんに、説明し文書にて同意を得たこと、同意書の写し(コピー)を手渡したことを、電子カルテへ記載してください。

8. その他の注意事項

  • プライバシー等の環境に配慮する。
  • 表情や立居振舞等のマナーに対して配慮する。
  • 質問をする機会を確保する。
  • 参加するか否かを判断するのに十分な時間を確保する。
被験者保護

  • 最後のピース